車の中に乗り込んだ瞬間、自分のものではない女物の香水の匂いがしたこと。


どんなときだって携帯を肌身離さず持ち歩いていたこと。


『リサ、今日はありがとう。また遊ぼうね』


『急な用事ができて遊べなくなった』と言っていたはずなのに、深夜突然届いた裕からの間違いメール。

「あたし……騙されてたのかな?」


振られた理由は、裕に好きな人ができたからだと思っていた。


でもそれはあたしの勘違いなのかもしれない。


裕は……


最初からあたしの事なんて好きじゃなかったんだ。


あたしと他の女の子との間を行ったり来たりしていただけ。


あたし以外の女の子とも付き合っていた。


二股どころじゃないかもしれない。



あたしは裕にとって何だったんだろう……?