昨夜、本部への報告を済ませた後、自室へ戻り眠ろうとしたが眠れなかった。

ざわざわとざわめく得体の知れぬ感覚は静まることなく、アレックスの体と思考を支配し続けた。

(俺には、わからない……)

ベッドの中体を丸め、爪を噛む。

(自らをなげうつほどの、何か? 自らを狂わせるほどの、何か?)

一度にあまりにも色々なモノを見すぎた。

(家族? 愛? 俺は知らない……俺には何もない……)



弟を返せと……

母親を返せと……

少女は言った。



『コロシテヤル!!』



自分に憎悪の限りを叩きつけながら……