DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>





安否が気になって仕方が無い。



濃い霧に覆われたかのように悪い周囲の視界に業を煮やし、ファーレンは今一度後ろを振り返り、崩れた城壁の上、今は虚空と化したあたりを仰ぎ見る。

ほんの直前まで自分達が居た場所。

そこからウリエルが飛ばされたであろう方向を予測して、落下物ですっかり悪化した足場を槍の先で探りながら進む。

そうやって暫く進むと、徐々に開けてきた視界にカーブを描く壁が見えてきた。

城壁の内側に造られた円形の塔。

城壁と繋がっていた部分はすっかり崩壊してしまっていたが、塔はかろうじて倒れずにまだ存在を維持している。

見上げれば、先刻までウリエルと外を眺めていた最上階の四角い窓も確認できた。

外壁のあちこちにヒビは見受けられるものの、城壁ほどその傷は深くは無かったらしい。

塔の中に人の気配は感じられない。どうやら無事に兵達は脱出したようだ。