DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>

(―8―)













「でかい、声だなあ……」








微かに耳に届いた自分を呼ぶ声に。唇の端を持ち上げ、ファーレンは苦笑した。

階段が崩れ、宙に投げ出されたのは覚えてる。

その時頭でも打ったのだろう……一瞬意識が飛んでいた。

「でも、ついてる」

これが屋根がある場所だったら、崩れ落ちてきた落下物から逃れる術もなく巻き込まれていただろう。

外付けの階段から投げだされたのは運がいい。

しかも、馬鹿でかい声のかわいい部下のおかげで、飛んでいた意識を落下途中で取り戻すことが出来た。

あの声は聞き覚えがある。

(何もそんなに泣きそうに叫ばなくたって……)

必死な顔で叫んでる様が容易に想像できる。

(でも、感謝するよ。カッツェ)

心の中で礼を言いながら、冷静に、落下していく先へと視線を巡らす。