「ふふ、そうね……ウリエルにはそのままリディルで待機してもらいましょう。アレが今更何故姿を現したかわからないでしょう?」
ディーバは笑みを浮かべたまま艶やかな唇の端を吊り上げ
「戻ってくるつもりか……それとも……」
椅子の肘掛にもたれるように頬杖をつき、カイゼルを上目遣いに見上げた。
「どちらにせよ、それなりのお出迎えをしてあげなくてはね。あの子は私たちの子供でもあるのだから」
細められた黒い瞳に射すくめられたかのように、カイゼルは体の動きを奪われる。
操られるかのように首を縦にふった。
「そうですね、女王陛下」
カイゼルの言葉にディーバは更に笑みを深める。
「気が早いわ、カイゼル。リチャード王に失礼ですよ」
そう言いながら、布で隠されたベッドの方をちらりと、見やり
「まあ、どうせ聞こえてはいないでしょうけど」
くくっ、と小さく喉を鳴らした。
「頼りにしてますよ、カイゼル」

