ディラハン軍の陣営に起きた異変は、ウリエルとファーレンが見守る中。
小一時間ほど続き、終息した。
無数に揺らめいていた小さな灯りは全て消え、かわりにいくつか大きく膨れ上がった灯りも……
しばらくたつと徐々にそのひかりを縮こまらせていき。
やがて消え去り、あたり一帯は闇に覆われた。
闇に視界を遮られる中ウリエルの発達した聴力は、何かがざわざわと動くめく音を捉えていたものの。
そのざわめきも次第に遠ざかって、気配を薄れさせていく。
夜が明け、薄く空が白んでくる頃にはあたり一帯は静寂に支配され、何かが焼けたような焦げ臭さが、時折り吹く風にかすかに混じって届いた。
明るくなってきたその場所は、霧か、煙か。
薄く白いもやに覆われている。

