DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>



アナベルの表情は静かだ。

だが……その心中は複雑なものだろうと、少しずつ人の心理というものを理解はじめたアレックスは思う。

愛した男が戦死した。

同じくして姿を消した守護天使と、意味深なボルグの遺言。

ルシフェルの失踪とボルグの死に関わりがあると思わずにいられないような……

「……会えるかどうかはわかりません。でも彼女らしき人物の最近の目撃情報を手に入れました」

アレックスのことを思い、平静を装っているのであろうアナベルの問いかけに、ごまかすことも隠し事をしてもいけない。

アレックスはありのままをアナベルに告げた。

「二、三日中に支度を整えて、情報のあった付近を追ってみようと思います。すぐにはあえないかも知れない……でも、長くなっても追えるだけ追ってみようと思います」