(―3―)
クロードの部屋からでたアレックスは兵舎へは戻らず、街へと足を伸ばした。
途中頼まれたものを買いに行きつけの食料品店へと入る。
店の奥にある棚を目差す前に、入り口に並べられていたフルーツに目が止まった。
手の平に収まるほどの大きさの真っ赤な丸い果実。
かすかな酸味と強い甘味そのままの香りが鼻先をくすぐる……身は半透明でやわらかく、汁気が多い果実。
(確か……好物だったな)
ふと、思い。通りすがりにひとつ手にとって、目的のものが置いてある奥へと進む。
ラベルの貼り付けられた茶色い瓶が並ぶ酒棚へたどりつくと、メモ紙に書かれたリストを見ながらラベルの字を追う。
(あれか)
メモに書かれたと同じ文字が記されたラベルを見つけ、それに手を伸ばそうとした時。
「あっ……!」
すぐ横で小さく声が上がり、アレックスが伸ばした腕のやや下方、同じ瓶へと伸びていた細い白い手があることに気がついた。
クロードの部屋からでたアレックスは兵舎へは戻らず、街へと足を伸ばした。
途中頼まれたものを買いに行きつけの食料品店へと入る。
店の奥にある棚を目差す前に、入り口に並べられていたフルーツに目が止まった。
手の平に収まるほどの大きさの真っ赤な丸い果実。
かすかな酸味と強い甘味そのままの香りが鼻先をくすぐる……身は半透明でやわらかく、汁気が多い果実。
(確か……好物だったな)
ふと、思い。通りすがりにひとつ手にとって、目的のものが置いてある奥へと進む。
ラベルの貼り付けられた茶色い瓶が並ぶ酒棚へたどりつくと、メモ紙に書かれたリストを見ながらラベルの字を追う。
(あれか)
メモに書かれたと同じ文字が記されたラベルを見つけ、それに手を伸ばそうとした時。
「あっ……!」
すぐ横で小さく声が上がり、アレックスが伸ばした腕のやや下方、同じ瓶へと伸びていた細い白い手があることに気がついた。

