微かに笑みを浮かべているようにも見えるラファエルの横顔。
それを見たクロードは一瞬目を見開き。
すぐにその光景から目を逸らす。
居たたまれない思いで窓際から離れ、ふらふらと数歩後退して廊下を挟んで反対側にある壁に肩をあずけた。
頭を冷やすかのように、額を冷たい壁に押し当て目を閉じる。
だが、一瞬目にしただけにもかかわらず瞼に焼きついた光景は消えることなく。
閉じた瞼の裏で何度も何度も繰り返され、クロードの胸をじわじわと締め付ける。
罪悪感と深い悲しみ。
無力な自らの手が恨めしくて……
そしてその思いはクロードを支配するのだ。
強く握り締めた拳に、知らず知らずのうちに滲むものがあることすら気付かせないほどに――

