ファーレンの首筋に浮かぶケルベロスの印。
それに刃を当てたまま、下からじっと灰色の瞳で睨みつけ
「先におしゃべりなその首を刈ってしまおうか? 別にお前らいなくてもかまわないし」
拒絶の意をウリエルは口にした。
「なんでそんなに攻撃的かな~。わかってる……わかってますよ」
その場で誰かが見ていたなら、ウリエルは本当になんの躊躇いもなく首を切り落とすだろう……そう思わせる空気にもかかわらず、ファーレンの声色に怯えは無い。
おどけたように、降参とばかりに両手を上げてみせ
「邪魔なんてしませんよ~。大事な部下を巻き込んで死なせるつもりもないし……」
にっこり笑って言った。
「始まったら、部隊ごと地下にでも隠れときますから」

