「僕があれくらいの兵に此処を落とされるっての?」
プライドを逆撫でされたか、ウリエルの眉間のしわがいっそう深くなる。
「そうは言ってない」
ファーレンは即座に否定する。
今まで共に行った任務で見たウリエル。
戦車を要した部隊相手でも、ファーレン達つきそいの兵に少しの手出しをさせる隙もなく敵を圧倒する力。
千近い相手でもその力は通用するだろう、なんと行っても機械人形は疲れも知らない。
「ただね、今までもちょくちょく手薄なとこから入り込んで攻撃してきたりしてたのに
今更、正面入り口とも言えるここにあれだけの兵を集めてきてるってことは、勿論此処を落とすつもりで
此処を足場に、あちらさんは今回本格的にエルカイザへ攻め入るつもりなんじゃ……」
じゃらっ
言葉を遮るように首筋に鎌の先端があてられ、ファーレンは声を途切れさせた。
「うるさい」
そんなことでもどうでもいい……そんな表情を露に不機嫌な声音。

