「昨日パレード帰りの他の守護天使も見たけどねえ……あ~ゆ~のが天使ってかんじだよねえ」
思い出すかのように瞼を閉じ、あごに手を当てて言うファーレン。
それに対し、ウリエルは小さくふん、と鼻をならして笑った。
「勘違いしてるのはお前らの方だ。天使様? よく言うよ」
手にした鎌をゆっくりと降ろすと、じゃらりと鎖が擦れる音。
「僕達が何をするための存在か、知ってるだろう? ファーレン。僕達は殺すための兵器……」
まだ幼さの残る顔に浮かぶ冷笑。
「天使なんかじゃない。死神のほうがあってるだろう?」
心底愉快そうに口の端を歪め、のどをくっくっと鳴らす。
その様を見て、
「ほんとにおっかないな、君は」
ファーレンは肩をすくめた。

