「君のその機械の身体……戦闘の為の身体だと言ったね? 実際に見たことはないけれどそんなに恐ろしいもの?」
皮具を取り付け終わり、ちゃんとついているか確認するかのように持ち上げてみながらシルバが口を開いた。
「そう……普通の人間じゃ、まず何も出来ない。多分、守護天使が戦うなら、無抵抗に血が流される……沢山、沢山」
自らが暴走した時のことを思い出し、ルシフェルは表情を歪めた。
地に転がる大勢の兵士達の屍の中で、ひとり無傷で立ち尽くしていたあの日。
あれは自分がやったこと。
武器を持ち、鍛えられた兵士達が……敵も味方も全て血にまみれ、この手で、命を刈られた。
それだけの力を持つこの身体と、同等の能力を持つ機械人形が戦場に出向いた。
「止めたい。敵だろうと……沢山殺されるのは止めたい……そんなことしてもこの戦争はいつまでも終わらない」
そう言って、ルシフェルは唇を噛んだ。

