(―4―)
「それで、どこへ行くんだい?」
テーブルの上には先ほど鞘にしまった剣が再び抜き身で置かれている。
それを目の前にして、シルバが入れてくれたスープをすするルシフェルは、スプーンを動かす手を止め
「リディル峠へ」
ルシフェルが持ち運びやすいよう、肩にかけれるようにと、鞘に皮具を取り付けてくれているシルバに答えた。
「リディル……要塞があるところだね。エルカイザの最西端、ディラハンに最も近い場所」
ルシフェルの答えにゆっくりとシルバは頷いてみせる。
「……わたしは、全ての元凶をなくしたいと思ってる。やらなきゃいけないことは沢山あって、正直どれから手をつければいいかもわからない」
スプーンをテーブルに置き、ルシフェルは続けた。
「だから、まずは見えるところから出来ることを……リディルの国境を挟んで、ディラハンの兵が沢山集まってるらしい。
エルカイザも要塞の守りを固めてる。
……守護天使が一人派遣されたって噂を聞いた」
森を抜け出し、戦場後を巡る傍ら、近隣の町で聞いた噂。それは大きな戦いの前触れだと直感した。
守護天使の派遣。
自分と同じ、戦闘人形が行くということは……多分、否、確実に沢山の血が流れることを表わしている。
「それで、どこへ行くんだい?」
テーブルの上には先ほど鞘にしまった剣が再び抜き身で置かれている。
それを目の前にして、シルバが入れてくれたスープをすするルシフェルは、スプーンを動かす手を止め
「リディル峠へ」
ルシフェルが持ち運びやすいよう、肩にかけれるようにと、鞘に皮具を取り付けてくれているシルバに答えた。
「リディル……要塞があるところだね。エルカイザの最西端、ディラハンに最も近い場所」
ルシフェルの答えにゆっくりとシルバは頷いてみせる。
「……わたしは、全ての元凶をなくしたいと思ってる。やらなきゃいけないことは沢山あって、正直どれから手をつければいいかもわからない」
スプーンをテーブルに置き、ルシフェルは続けた。
「だから、まずは見えるところから出来ることを……リディルの国境を挟んで、ディラハンの兵が沢山集まってるらしい。
エルカイザも要塞の守りを固めてる。
……守護天使が一人派遣されたって噂を聞いた」
森を抜け出し、戦場後を巡る傍ら、近隣の町で聞いた噂。それは大きな戦いの前触れだと直感した。
守護天使の派遣。
自分と同じ、戦闘人形が行くということは……多分、否、確実に沢山の血が流れることを表わしている。

