零れた涙を隠そうと俯いたルシフェルの肩にそっと手をかけ
「代々の古き血を持つ王達の念と、森の力が宿る剣。きっと君を助けてくれる」
そう言うシルバに
「何故……」
ようやく声を搾り出し問う。
「何故、こんなに良くしてくれる? 愚かな人間……罪深きわたしに何故……」
同族殺しなどという、彼らから見てもっとも愚かで罪深い業を背負うというのに、何故、シルバは自分をここに置いてくれていたのか?
ルシフェルはずっと思っていた。
本来人間を受け入れないはずの森に受け入れ、そしてまた、勝手に出て行こうとしているというのに。
今も、大切なものまで惜しみなく与えようとしている。
「良くしてくれる? それはどうかな」
肩に置かれたシルバの手がルシフェルの頬に添えられ、その顔を上向かせる。
「君こそひとかけらも僕のことを疑わないけど……それはどうして?」

