「これ……は……」
現れたのは、青みがかった光を帯びた黒い刀身。
厚みのあるその剣は。
確かに剣の形をしてるものの、剣先はなだらかに半円を描き、長いその剣身には……
在るべき刃が無かった。
不思議な存在感を放つ、刃引きされた大剣。
吸い寄せられるようにルシフェルはソレに見入った。
「いつか、こんな日が来ると思って用意してた。元々は僕らの種族に代々伝わってた守護の剣。僕が刃を落とした」
シルバの声にルシフェルは顔をあげる。
「君は、殺すことを望んでるわけじゃないだろう?」
シルバの言葉に、なんともいいようもない感情が、一気に胸に押し寄せた。
ああ……
シルバは……本当に
わかって……

