その剣は、一瞬にしてルシフェルに過去の悪夢を蘇らせた。
あの時手にしていたのも、ちょうどこのくらいの大きさの剣。
(何故……何故シルバはこんなものを……)
青ざめた顔でルシフェルはシルバの顔を見上げる。
「此処を、でていくのでしょう?」
静かな表情でルシフェルを見つめシルバは言った。
その言葉に、心臓が大きく波打ち、ルシフェルは目を見開いた。
「ずっと、忘れることができなかった。だから……行くんでしょう?」
「…………」
声も出ない。
竈で薪が火花を立てる、パチッ、という音がやけに大きく室内に響いた。
それに続くように、かぶさる
「全てを終わらせる為に」
シルバの声。

