ひょっとするならば、あの時あの牧師がかけてくれた言葉がなければ。
ルシフェルはどうにかして自らの命を絶っていたかもしれない。
逃げることしかできなかったけど、それでもこうして生きている。
そして、シルバの言葉は……更にルシフェルの背を押してくれた。
優しき魔物の腕の中で思う存分泣いた後、ルシフェルは、自らの罪と少しずつでもいい……向かい合っていこうと思った。
シルバはずっと。
ルシフェルがすることに対して何も言わずに見守ってくれている。
もう五年……ずっとそばにいて、穏やかな時を与えてくれ……色々教えてもらった。
感謝の念は尽きない。
(この森のことは……何があっても守る)
ルシフェルは行動を起こし始めてすぐに、そのことだけは決めていた。
たとえ……
此処をでていくことになっても……

