DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>



圧倒的な数を誇る人間達は、そのうち彼らの棲む地までも入り込み、彼らの住処を奪っていった。

住処を奪われた彼らは、住処を奪われた怒りや生きるための糧を求めて、中には人間の住む街や村を襲うもの達まで現れだした。

そして、人間たちは恐れと怒りから彼らを狩るようになった。

圧倒的数と知恵を持つ人間達に彼らは追い詰められ、その数を減らしていった。

繁殖力で劣る古の血をひくもの達は勢力を盛り返すこともできない。

数の差は圧倒的で、能力では上回ってもその差は埋められなかったのだ。

「だからね、嘆きの七日間はある意味僕らにとっては救いだったんだよ」

新たな地で、人間に関わることをやめて平穏に暮らす。

生き残った者達はそう決めた。

「この森は豊かだし、動物も沢山居る。 僕らは数は少ないからね……八百年たってもそんなに増えてないから。 寿命が長い分新たな命もそうは生まれない……このままでも充分これからも生きていける」

そう語るシルバの顔は本当に穏やかだ。

確かに彼らは本来は荒ぶる気性に生まれついているのではないのかもしれない。