突然起こった内乱。
国交を禁じられ商売が立ち行かなくなった一部商人たちによる反国家勢力の蜂起。
カラドル司令部の近くにあった宿屋は、司令部へ向けた攻撃の巻き添えをくらい踏み荒らされ……火を放たれ焼け落ちた。
主人に頼まれ買出しに出ていたジュードが異変に気付き急ぎ戻った時にはもう遅く。
すでに下火になった瓦礫をかきわけ探すと……
丁度中心辺りに折り重なり炭と化した木材の下から飛び出た、黒くすすけた小さな腕。
ひっぱりだしたその小さな身体は、出ていた腕から下は、もとの柔らかい皮膚の感触など少しも残さない黒い異物と化していた。
両手に抱きかかえると、一部が崩れて。
ズルリ、とこぼれ落ちる。
(また……救えない)
肩が震えた。
再び訪れる孤独の影を痛いほどに感じて……身動きすら出来ずに手の中の異物を見つめる。

