差し出された瓶を両手でうけとり。
「甘い物は好きよ……ありがとう」
顔を俯けて礼を述べる。
伏せられた目線……だがほんの少し、嬉しそうな表情が浮かんだのにジュードは気付いた。
(やはり、子供だな)
口に出すとまた不機嫌になりそうなので胸のうちだけで呟き、隣に腰を降ろす。
ミカエルは早速瓶の蓋を開け、中から水色のキャンディーを選び、セロファンを開けようとしている。
細い指で取り出された丸い球体を摘み上げ、一度目の前まで持ち上げて眺めてから、ぽい、と口に放り込んだ。
微かに唇の両端が上がる。
「……おいしい」
目を細めてつぶやくその表情は、何ら、普通の少女とかわらない。
とても、戦場で敵兵を容赦なく殺す兵器には見えなかった。

