DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>

(―4―)





「どこにいってたの?」

部屋へ戻ると、ベッドの上にぺたりと座り込み、不機嫌そうな顔をしたミカエルといきなり目が合った。

「なんだ、もう起きてたのか」

ミカエルが眠りについて出かけてからまだ二、三時間ほどしか経っていない。

「眠りが浅いのよ……睡眠はそんなに必要ない身体だし」

「そうか」

目を覚ましてもここにいるのは何故だろう?

彼女ら守護天使たちは、王族が住まう宮殿に個々に自室を与えられていると、以前ミカエル自身に聞いている。

「……待ってたのか?」

「悪い?」

プイ、と顔を背けるミカエル。何故だか機嫌も悪そうだ。

「いや、悪くはないが……」

そう言いながらベッドに近づき、窓の方へと背けたミカエルの顔の前に、抱えてた瓶を差し出す。

ミカエルはチラ、と顔は背けたまま目線だけを横にずらした。

「何それ?」

「土産だ……キャンディーは嫌いか? それとも機械人形は甘いものは食べないか?」

そう訊くと

「…………食べるわよ」

やや間をおいて答え、ミカエルはようやくこちらを向いた。