気付くと、何時の間にか……よく見慣れた通りにジュードはたどり着いていた。
依頼を受けるために通っていた頃より、少しだけ古びた看板が目に止まる。
『ガーフィールド古書店』
店主の男は元気でいるだろうか?
店主のガーフィールドは以前は軍専属の情報屋をやっていて、ジュードはガーフィールドを通して、国からの暗殺の依頼を請け負っていた。
危険で裏黒い職業をしていたにもかかわらず、ガーフィールドは妙なところでお節介で、世話好きな面もあり。
素性の知れぬ殺し屋であるジュードにもその調子で、憎まれ口を叩きながらも気に掛けてくれていた。
懐かしさに誘われるように……その店先へと近づくと
――カラン
とりつけられたベルが揺れる音と共に、ドアが開き現れた人影。
足を止めて目を凝らす。
ガーフィールドではない……
明るい茶色の髪をした少女が、閉店の下げ札をドアにかけようとしている。

