いつから生きているのか、それすら今でははっきりと思い出せない。
一つだけはっきりと言えるのは
『嘆きの七日間』
世界を水が覆い尽くし、全ての文明をうばった滅びの日。
それ以前より自分は存在していること。
暗く、うねる水の中で目を覚ました。
何かに貫かれていたのか胸に大きく開いた穴……
水底に沈んでいきながら、自分の目前をゆっくりと浮上していく杭のようなものをぼんやりと眺める。
それが元凶なのだということはなんとなく理解できたが、何故今、こうして水の中に漂っているのか、そこに至る経緯が思い出せない。
否、ありとあらゆる記憶が抜け落ちていた。

