ラファエルやガブリエル……ウリエルともまた違う。
何故か強い繋がりを感じるあの子、ルシフェル。
だからきっと、彼女の泣く声が自分だけに聞こえるのだ。
何故姿を消したのか?
何故泣くのか?
あの子に聞きたいことが……話したいことが沢山ある。
望んだ生を歩きつづけながら、時々いいようのない不安に捕らわれる。
時折感じる矛盾めいたこの感情は何だろう?
(あなたは、知っているの?)
深い眠りの闇に落ちていきながら、まだ僅かに残る意識の中、ミカエルは問い掛ける。
会わなければいけない。
きっとそれが運命。
(もうすぐ、会える?)
確信はないが、何かが強くその時が近いことを予感させる。
その予感が……
ずっと自分の頭を撫でる冷たい手の感触とともにもたらす安堵感。
それは静かに優しく
守護天使とはおよそ不似合いな不安定な揺らぎを包み
僅かに残っていたミカエルの意識を奪っていった――

