机の後ろのガラス張りの書棚のなかに飾られた一枚の絵。 クロードと同じ金糸の髪と緑色の瞳を持つ雄雄しい青年。 「兄さん……」 その絵を見つめつぶやく。 「あの時と、同じだというのですか? だとすれば……私は……」 指令服に身を包み、剣を掲げる……今は亡き兄エレンツの姿を見るたびに、いいようの無い苦しみが伴う。 その死を思うたびに感じる罪悪感。 弱々しく、生き延びる自分に…… 無力な自分に……