「別れを告げてきたかい?」
尋ねるクロードに会釈して
「ええ」
短く答え、顔を上げ……口を開いた。
「戦没地はアリルア村となってました……ボルグさんはアリルアで何を?」
アレックスの問いに、クロードは静かに頷き、話し始めた。
「さっき他の隊員には話したんだが、彼は新型のアイアン・メイデンの一体とアリルア奪還の任についていた……」
「アイアン・メイデン?」
聞きなれない言葉にアレックスは首を傾げる。
「ああ、そうか。君はまだ聞いたことがなかったか……
第三研究所が開発した人型の戦闘ロボットのことだよ。
まだ試作段階で極秘条項になってるから、軍でもうちの隊でしか知らされてない。
依頼があったとき以外は行動を共にすることもないんだが……」
話すクロードの表情が厳しくなっていく。
「任務先で、その新型が暴走したらしい。
敵兵も同行したわが国の他の兵士も皆殺しにして逃走した」
「皆殺し……?」
「そうだ、そしてボルグも……」
じっと、食い入るように視線をぶつけて聞くアレックスと目線を合わせ、言いにくそうにクロードは告げた。

