北方の街カラドルでの偵察へ行っていたアレックスの元へ。

急遽アルマに戻るようにとクロードから緊急コードでの通信が入ったのは、アレックスがカラドルへはいって三日目の早朝のことだった。

初日は、夜遅くについたために宿をとるだけしかできず。

翌日は街中を歩き、何処にどんな店があるか、人の多く集まる場所、人目につきにくいところなどを頭にいれるのに専念した。

建物や地形を頭に入れておくことは重要事項だ。

いつ、何がおきても対応できるように。

もしも懸念されてる事態どおり、不穏な動きがあるのなら……

調べるだけとは言われているものの。

それだけでは済まず、ひとりである程度の工作、鎮圧を行わなければいけない事態も充分に考えられるからだ。

アルマからこの街は遠く。

いざという場合に、応援を待つには時間がかかりすぎる。

一日中街をくまなく歩き回り、その疲れから泥のように眠りについた。