「が……はっ……」 肺から溢れ、口一杯にせりあがってきた鉄の味。 それを吐き出し、あえいだ。 すぐ目前にある 両手でしっかりと長い柄を握り締め、自身の胸を貫いた少女の顔を見下ろす。 まだ少し、幼さの残る……白く細い輪郭。 風は止み。 おりた前髪のかかる瞳は元の色を取り戻していた。 迷い一つ見えぬ 澄んだ緑色の瞳 (いい女に……なっただろうなあ……)