少女の足元から、その細い身体を取り巻くように風が渦巻いていく。 槍を片手に、髪を舞わせて…… 再び表情を失ったその唇で 「いけ」 短くつぶやき。 空いていた手を軽くこちらへと差し出した。 ――ザアアアアアアッ 地を這うように螺旋を描きながら、風の渦がボルグを撃つ。 倒れないように足に力を込めて身をかがめたボルグの顔面に、足元から巻き上げられた土砂や枝葉が容赦なく打ち付ける。 思わず目を閉じ腕で顔を庇い。 再び目を開いたその視界に飛び込んできた…… 金の巻髪