少女は言葉を紡ぎ続ける。 「私には、お前の方がわからない。軍人でありながら何故国に逆らう? 何故、国の決定を疑う? お前はこの国の民だろう? この国に生かされ、この国を守るために生きているのではないのか?」 その声が虚ろに耳に響いた。 (なんて……ことだ……) 疑うことも知らず。 己が身の不遇さすら知らない…… 少しの懸念すら見せない確固たる意思がそこに在る。 それほどまでに…… そして その意思の固さを見せ付けられるにつけ 尚更に…… それが悲しかった。