――ザザッ
建物を囲むように植えられた木々。
突き落とされた二階の窓に届くくらいのその枝木が、僅かながらのクッションになった。
小枝を折りながらも勢いをそがれ、冷たい土の上に身体を転がす。
ちょうど身体が仰向けになったところで回転を止めたボルグの目に映る暗い夜空。
それを切り裂くように、視界に走る閃光のような煌き……
――ガッ
とっさに首を捻じ曲げ避けたそれは、地面に倒れたままのボルグの頬を掠め、地に刺さる。
「……ぐ……うっ」
間髪おかず、無防備な腹部に硬いブーツのかかとがめり込んだ衝撃で、ボルグは苦悶の声を上げた。

