「君は……っ!!」 声を上げかけたが、その槍の切っ先の微かな気配に気付き。 素早く懐から短剣を抜き出し ――ガッ 目前に迫ったそれにかろうじて合わせる。 速すぎて真正面から捕らえることは叶わなかったが、何とかその軌道をそらす。 切っ先はそれでもボルグの脇をかすめ、そして、そのままの勢いで構わず突っ込んできた少女の勢いを受け止めることが出来ず…… ――ガシャアアア……ン 派手な音を上げて。 ボルグが背にしていた窓を突き破り、二つの影はそのまま暗い屋外へと飛び出した。