「……ぐっ」 変わらず笑みを浮かべたコーエンの姿を視界に捕らえながら。 銃が固い床に落ちる音を聞き、眉をひそめる。 同時に襲う、焼け付くような熱さにも似た痛みにうめきながら目線を泳がせれば……銃を握っていたはずの手を貫き、鋭い切っ先を覗かせる……モノ。 冷たい気配を背後に感じた刹那。 閉め切られたはずの部屋の中にも関わらず、微かな風が、額から流れ落ちる汗を冷やす。 「……っ」 手の平の異物が引き抜かれると同時に振り返った先には…… 無表情に細身の槍を構える 軍服を身に纏う 少女