DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>

(―2―)






――ジジ……



映像を映し出さず真っ白な光源だけを放つモニターの画面が、かすかに揺れる。

薄ら白いその光だけを頼りに、だが確実にその銃口はコーエンの額の真ん中を捕らえ、引き金を引くだけでそれを貫くことは必至。

「君がその引き金を引いたところで、彼女らが元に戻るわけではない。この計画がなくなるわけでもないのだよ?」

半ば呆れたような表情でコーエンは鼻を鳴らして笑った。

「……愚かだろうがなんだろうが……かまわんさ。そんなことは分かってる……だが、お前を撃てば足止めくらいにはなるだろう?」

ボルグはギリ、と唇を噛んだ。

「王室が許しても……俺は認めることなんて出来ない……こんな、狂ったことを……」

分かっていた。

ここでコーエンを撃ったからといって、王室が荷担している計画を止めることなどできない。

事がすぐにばれ、自分が窮地に立つことも充分承知の上だ。









だが……




それでも……










「人として……っ、許すことなんて出来ねえんだよっ!!」