「もうわかるだろう? いかに君が大きな間違いを犯そうとしていたか……
はは……案じなくとも良い。誤解や過ちは誰にでもあることだ……自身を責める必要も無い」
渇いた笑い声が耳鳴りのように反響し、嫌な響きを耳に残す。
「完成発表の時が近いのだよ、ボルグ君。
だが、確かに事情を知らぬ国民に理解など無理だろう……
ディーバ様も余計な混乱は望んではいない。
彼女達は機械人形として守護天使になる……君はただ黙っててくれさえいればいい。
そして彼女達のサポートとして……」
不意にコーエンの視線が一点に止まった。
動かしつづけた唇の動きを止める。
自分に向けられた銃のトリガーにゆっくりと指がかけられるのをじっと凝視し……コーエンは大きくため息をついた。
「愚かな男だね……君は」

