「な……っ」
声を失ったボルグに、構うことなくコーエンは続ける。
「国家機密に関わる任務だよ。それぐらい調べてあって当然だろう?
君をこの任に押した方は全てを承知の上で君を選んだのだよ。
君がルシフェルの出身地に救援に行った事も……もちろんこのプロジェクトのことも全て知っている」
そして少し不思議そうな顔をしてみせた。
「プロジェクトを考えだしたのは私だが、それに命を吹き込んでくださったのは更に高貴なる方……
誰も逆らうことなどできないのだよ。
現に沢山の人間がこのプロジェクトを支持してくれた。
君がこんな行動をとるとは思いもしなかったがね」
「……どういう意味だ?」
コーエンの言葉にボルグは眉をひそめて問う。

