「ふむ……バグが出たか?味方も殺してしまうのは少々困った問題だ。

機械に故障はつき物だからな……早速バグを修正しないと……」

味方も。

その言葉を聞いても眉一つ動かさないコーエンの顔にさらに不快感が増す。

「あの子は消えた……もう戻らない。

機械人形だと? 違うだろう? 俺は……人間だった頃のあの子を知っている。

……そんなことも調べずこの任に俺を選んだのか?」

低く押さえられた、だが、怒気をはらんだボルグの声は、通常の人間なら萎縮するに充分な威圧感を持っていた。

だが、銃口を向けられ、その言葉の矛先にいる科学者は少しも臆することなく……それどころか、その唇にニヤリと笑みを浮かべている。

怒りに耐え切れず、ボルグは叫んだ。

「人の命を弄んで、あんなものを作り出したのか!? それもまだ子供を……それが許されることだと!?」

だが、コーエンは笑みを崩すことなく、軽く喉をククッと鳴らし