「いやいや……そんなことなど思っては無い。だが、君は私を撃てないだろう? 国家機関であるこの研究所の責任者である私にそんなことをすれば只ではすまん」

「誰にも知られずここに来る等簡単だ……俺がお前を撃っても誰も気付かん」

「ふむ……ケルベロスの実力とやらか……まあ、いい。

それより……ルシフェルはどうしたのかね?」

この男は、自らの命よりも研究成果のほうが大事だとでもいうのか?

それともただの脅しだとでも思っているのか?

コーエンの鷹揚な態度に、苛立ちを募らせながらはき捨てるようにボルグは答えた。

「殺したさ皆……ああ、圧倒的だったさ。誰も抵抗すら出来ずに死んださ。

誰一人……敵も、味方さえも……」