『戦争だから仕方ない』 『敵だから仕方ない』 そんな言葉でごまかしてきた。 だが、ずっと自らを騙しつづけて知らぬ顔をしてきたとはいえ、気付いてしまったからには 「知らん顔……できねえよなあ……」 ルシフェルの存在 ルシフェルの涙は―― そんな偽りで捻じ曲げられた摂理の本当の顔に気付かせるのに……充分すぎるものだった。 だから、あの時。 ルシフェルが子供を抱えて走り去るのを見送りながら…… 決意を固めざるをえなかった。