十年以上。

それを続け、少しずつ溜まっていく淀みを、無意識のうちに押し殺していた。









――今更ながら、気付いてしまったのだ







長い間戦いつづけて。

戦友を失い、その家族の涙を見ながら……

いくら敵を倒しても、何も変わらない。

いくつ命を奪おうとも、何一つ良くならない。

それどころか、守られるはずの存在までも兵器にしようなどという……

恐ろしい方向へと進みつつある。

子供ひとり救うことも出来ないばかりか……

逆に言えば、自らが奪った命にも、何か守るべきものが……そんな存在がいたのではないか?