肩に背負う巨大な剣の柄にルシフェルの細い手が伸び……ゆっくりと引き抜かれる。
味方の兵士の方へと踵を返し。
一番近くにいた老兵の首を、ためらうことなく……一瞬で跳ね飛ばした。
(ルシフェル!?)
鮮血を撒き散らし、地に落ちる首。
自分達の守護天使であるはずのルシフェルの予想外の行動に慌て逃げようとするほかの四人も、巨大な剣でやすやすと捕らえ、切り裂いていく。
何が起きたのか把握できないままパネルを見つめるボルグの目に、あっという間に五人を切り捨てたルシフェルが……
今度はディラハンの兵へと向かって足を走らせるのが見えた。
絶え間なく浴びせられる銃声に臆する様子もみせず向かって来るルシフェルを迎え討とうと、民家に身を隠していたディラハン兵が一斉に銃剣を手に飛び出して来る。
その数、およそ二十名。

