小さな影が、雑木林に消えてゆくのを確認して……再びトラックに乗り込み、前へ進む。
今は、それしか出来ない。
できることをするのみだ。
指示どおり先回りして、村の裏手にあたる丘へ向かった。
すぐにその場所を見つける。
周りに敵影がないことを充分確認して、データを採るための準備にかかった。
先ほどルシフェル達をおろした場所から、目的の村までは徒歩では少し時間がかかる。
準備をするだけの時間は充分あった。
背にあたる夕日を感じながら、記録装置を村に向けてセッティングする。
村からすれば逆光になるのでこちらは見難いはず。
特殊な目を持つルシフェル以外に気付かれることはないだろう……

