DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>

(―3―)



長い行程を休むことなく走りつづけ、目的のポイントへたどり着く頃には日がずいぶん傾いてきていた。

コーエンが指示した通り、村から少し手前の雑木林の横にトラックを止める。

運転席から降り荷台のほうへと歩を進めると、次々と降りる兵士達のやはり最後尾からルシフェルが降り立ったところだった。

「気をつけて」

掛けた言葉に反応したルシフェルが振り返り……

目が合った。





――暗い色を湛える青い瞳。





一瞬交わった視線は、沈黙とともにするりとそらされた。

先を行く兵士達を追い、足早にその場を去るルシフェルの細い肩に斜に掛けられた巨大な剣が、やけに重たく見える。

それは彼女が負う、業そのものの重みを表わすかのようだ。