しばらくすると、司令部裏手の入り口に背を向けて止まるトラックの荷台の後方で扉が開き、数名の靴音が聞こえてきた。 人の気配に気付き、深くかぶった軍帽のつばを少し指で持ち上げ……ミラー越しにトラックへ向かい歩いてくる人影へ目線を泳がす。 紺色の軍服に銃剣を吊るし、装備を整えた兵士が五名。 そして、その後方から少し遅れて現れた、一回り小柄な人影。 それを見た瞬間―― 「ああ……」 ボルグの口から小さく唸るように声が漏れた。