「ばーか。こんなとこで寝て風邪ひいたらどーすんだよ」 「…ぅっ?」 目の前にいるはずない人の姿を確認して、そんなに寝入ってしまったのかと時計を見る。 「まだ、ギリギリセーフだよ」 そう言って差し出されたのは小さな花カゴ。 「…わるかった。」 よくよく見ればいつも隙1つみせないスーツ姿はどこか着崩れ、髪も乱れている。強気で意地悪な態度は影をひそめ、その目はどこか揺れている。 「どこも、開いてなかったでしょ」 そう言って差し出された花カゴをもつ。 可愛いミニバラの鉢が入っていた。