「あなたの名前は?」


「あたしはっ…
2年3組の笹井花菜ですっ…」


「花菜ねぇ…
そーれーで!
どうして泣いてたの?」


弥千さんは首を傾げる


「そ…れは…」


「ん?」


「裏切られちゃったり
いろんなものなくしちゃって…
ここに来たらなぜかまた
涙が出てきて…」


そしてまた涙がこぼれた


「そっか…」


そうだよね…
こんなこと言われても困るよね…


「んーじゃあ、
ほら、おいで?」


弥千さんはイキナリ両手をひろげてあたしの方を向く


「えっ?」


「まだ涙がでんのは
きっと泣き足りないんだよ!
あたしの胸に飛び込んでこいっ
それで思う存分泣いちゃえ」


弥千さんは笑顔で言った