「うわっ!白木くん!」



余程驚いたのか、あいつは目を丸くしていた。





多分、俺も同じような顔をしていると思う。




昨日帰った後も泣いていたのか、目が少し赤い。




学校行けんのかな?




そんな言葉は胸の中に閉まって、口を開く。




「はよ。」




何も心配ない。
そう言うように。




「お、おはよ。」




俺達は並んで歩き始めた。








あ。笑ってる。


不意にあいつは笑った。




こいつだけは、いつまでも笑っていて欲しい。



もう、こいつの悲しい涙なんて見たくない。




その笑顔を見て、そんなことを思ってしまった。