「あっ、何度も何度もすみません」


 ペコペコと頭を下げると、ソイツにがしっと頭を掴まれ、止められた。


 そして、改めてソイツの顔を見て、私は驚いた。


「っっ、耀!?」


 そう叫ぶと、耀らしき人は目を見開いて言った。


「なんで俺の名前・・・」


 初めて聞いた耀の声は、低く、優しい声をしていた。


「やっぱり耀なんだね・・・。やっと会えた・・・」


 はらはらと涙が零れる。


「てかさ、ホントあんた誰?」


 呆れに近い顔で耀は言った。


「私、弥羅だよっ。覚えてない?」


 ただただ必死にそう言った。


 すると思い出したのか、急に冷たい顔になって耀は言い放った。


「お前っ・・・。なんでこんなとこにいるんだよ!」


 ビクッと体が震えた。


「ごめんなさい・・・」


 私はそう言うことしか出来なかった。