「っっ!?」


「しっ、静かに」


 そう言われ、数秒そのままの体勢でいた。


 再び静けさが辺りを包むと、私はようやく解放された。


「行ったみたいだな・・・」


 ソイツはふぅと溜め息をつくと、もう一度こちらに向き直った。


「あっ、ありがとうございました!」


 私は慌ててお礼を言った。


「別にいーけど・・・。で、あんた誰?」


「えっと・・・私・・・人を探してて」


 そこまで言った時、ハッとした。


(そうだった。私、耀を探してたんだ)


 立ち上がると、少し目眩がした。


 ふらついた私を、ソイツがまた支えてくれた。